台風欠航時のおがさわら丸広報について

●2024.9.11 令和6年第3回定例会 一般質問②

 

8月13日のおがさわら丸は台風7号の影響で欠航となりました。

しかし、

その決定は出港当日3時間前の午前8時にHPでされました。

島での防災無線での放送は午前9時。

 

イレギュラーな当日決定でしたが、

広報が遅く、父島母島でも島内では混乱がありました。

生活航路として、村の広報としての在り方を質問しました。

 

今後はさらに海運との連絡を取り合い、改善していくと答弁を頂きました。

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●議事録

【宮城】

今年8月の台風7号接近に伴うおがさわら丸欠航の広報で、竹芝出港3時間前のHP発表、2時間前の村内放送という状況で混乱を招く事態となりました。

今後、同じような事態を招かないためにも、再発防止の姿勢を問いたいと思います。

 

今年の8月13日竹芝出港予定のおがさわら丸は台風7号(アンピル)の影響で欠航となりました。

私はその便に乗る予定で、丁度東京に滞在していました。

問題はその台風に伴うおがさわら丸の運航の可否に関する広報です。

 

前日の8月12日昼過ぎ、小笠原海運のHPで13日の出港についての最終判断は、竹芝出港当日の朝8時にHPで発表という広報がされました。

なんと出港3時間前の発表という決定です。

通常だと前日の昼判断です。これは異例の事と思いました。

 

そして竹芝出港の当日13日朝8時、欠航が小笠原海運のHPで発表されました。

しかし、島内では村内放送がかからず、HPを見れない方々が戸惑い、問い合わせが僕の方にも来ました。

結局、島内に放送がかかったのが1時間後の9時頃、竹芝出港2時間前となりました。

 

地方から小笠原に向かう人にとって、関東に前泊する場合が多いので、出港当日の決定はとても厳しい状況です。

母島から14日父島発のおがさわら丸に乗る予定の人々も宿泊先の手配、父島~母島間の移動など混乱したと聞いています。

まず欠航の当日発表の件に関して、村はどのように考えていますか?

 

【杉村 総務課長】

 村の所感を述べる前に、定期船運航日時の変更及び欠航の決定、また、ご質問の8月13日東京出港便欠航の経緯について、運航会社にお聞きした状況を説明させていただきます。

 まず、運航ダイヤ変更の考え方ですが、

・定期船の就航に関して安全運航が第一である

・村民のライフラインとして運航しているため、安全基準で運航できる範囲内であれば、欠航・日時変更なく運航に努めている

・前日に海況状況で明確に運航できないという判断であった場合は、旅客・貨物等への配慮のうえ、前日のお昼頃決定して告知するよう努めている

・前日の欠航・日程変更の際は、小笠原村と連携し発表時間を調整して対応している

・小笠原諸島近海で台風が発生するなどの近年の気象状況の変化により、気象予報によっては、間際での判断をすることが今後もあり得る

とのことでした。

 

 つづいて、8月13日東京発便就航可否の経緯につきまして聞いた内容でございます。

・その時点での気象予報から8月13日の出港可否の決定を出港当日の13日午前8時とすることの告知を行った。

12日正午、HPにて就航可否決定を出港当日午前8時とする告知を行った。

・12日正午から、13日東京出港便へ乗船されるお客様全員へ電話にて次のご案内を行った。電話での内容をお伝えします。

「小笠原近海に発生した熱帯低気圧の今後の勢力・進路が定まっていないため、8月13日(東京出港日)午前8時に就航の可否を決定することとなりました。台風等へ発達する場合は欠航となる可能性もあります。」という内容だったということです。

・お客様、運航に係る関係先への案内として、出港当日の13日午前8時にHPにおいて欠航の告知を行った

ということでありました。

 このことについて、村といたしましては、当該便をご利用予定の方々にご不便が生じたことは理解しております。

 しかしながら、欠航の原因としてはご承知のとおり台風という気象状況によるものであり、安全運航が一番大切なことでありますので、やむを得ない判断であったと考えております。

 

就航判断の時期につきましても、運航会社からの報告のとおり台風の勢力・進路予報が大変難しい状況にあり、苦渋の決断であったと考えております。

なお、運航会社からの聞き取り内容でもご報告いたしましたが、13日東京発の乗船予定者へ出港前日に個別連絡をしていただいことに関しましては、大変丁寧な対応をしていただいていると感じております。

 

【宮城】

台風の接近に伴う悩ましい判断だったと理解できます。

いつも安全を最優先、この便はお盆のハイシーズンの便であり観光に関する影響も大きいことから、ギリギリまで判断を待ったということと思います。

僕も運航会社の立場になって考えると悩ましいのがよく分かるので、色々考えてくれた部分を想っています。

 

 しかしながら、ギリギリの判断は遠方からの人にとっても厳しい側面がありましたので、悩ましいのはわかるのですが、24時間で1000kmという長距離移動、長期間の旅程になりますので、やはり前日に決定し、広報して頂きたいと思います。

 

今回、おがさわら丸の運航が当日朝発表で、運航の可否が決まっていない12日でもキャンセル代はかからないと小笠原海運のHPに記載されていました。これは島の観光業側からすると、翌日運航されても宿もガイドもキャンセル料を取れないと誤解される場合が想定される発表だったと聞いています。

結構、発表の際はその点も今後気を付けて頂きたいと思います。

 

次に村内での広報の問題について伺います。

今回、運航の可否に関するHP発表の広報から、1時間の時差があり、混乱を招きました。

村内放送で1時間も遅れて情報を流す仕組みに対して課題があると思います。

また、欠航を発表しても問い合わせの電話が営業時間外(本社)で問合せできない状況について、どう考えていくのか?

小笠原村にとって唯一の生活航路でもある、おがさわら丸の課題に対する村の姿勢をお聞きしたいです。

 

【杉村総務課長】

先ほどの運航会社からお聞きした報告の中でもお話しいたしましたが、基本的には運航日時の変更や欠航の際は、運航会社と村で連携し、事前に防災行政無線の放送依頼をいただくなどして、同時にお知らせできるよう対応しているところであります。

定期船の運航だけでなく、村以外の機関に係る広報につきましては、依頼を受けたうえで行うこととしておりまして、村だけの判断で行うことができないことはご理解をお願いします。

 

13日東京発便の欠航につきましては、運航会社としては当日、東京出港便乗船者への対応を最優先されていたため、村内でのお知らせとタイムラグが生じたものと思われます。

このことにつきましては、改めて運航会社と相談いたしまして、村内でも遅れなくお伝えすることができるよう調整しております。

 また、営業時間外のお問い合わせ対応につきましては、運航日時の変更や欠航に伴う今後の手続き等、HPや村内での広報に詳細な情報を加えていくことなどを検討されると伺っております。

 

【宮城】

曜日で運航していないおがさわら丸、その運航の可否等に関して問い合わせが出来ないのは、大きな課題と思います。

またインターネットが苦手な方々にも留守番電話の自動応答などで、運航の可否は伝えている運航会社もあります(青ヶ島航路、くろしお丸など)。

おがさわら丸は生活航路であるうえ、基本は週に1度の24時間航行する特殊な航路です。

できる範囲で対応していってもらえればと思います。

 

一方で、どんどん要望して提供側が業務量過多になっていき、働きづらい状況になることも望んでいません。

提供側も、利用側も、調整側もそれぞれが無理せずに気持ちよく働き、過ごせる様に相互間に丁寧にコミュニケーションを行い、お互いが支え合い、健やかに過ごせる社会を目指していければと思います。

 

【総務課長】

 ご質問のとおり、本土との唯一の定期航路において、きめ細かな対応をしていただくことは利用者にとって大切なことであると考えます。

 利用者に対する対応やサービスの提供につきましては、基本としては運航事業者が担うものでありますが、村内での広報等、村として対応できるところは今後も運航会社と協力体制のもと対応してまいります。

 

【宮城】

繰り返しになりますが、おがさわら丸は小笠原村にとって、唯一の生活航路。

お互い様の精神を忘れずに、どうぞよろしくお願いします。