ロース記念館シュロ葺き屋根について

●2023年6月 定例会 一般質問②

 

【シュロ葺屋根についてについて】

初めての定例会、2つ目の一般質問は選挙中も母島で幾人からも質問を受けたロース記念館のシュロ葺き屋根について質問をしました。

 

現在、前回葺き替えて13年。

雨漏りで現場は展示物を守るので大変な思いをしているそうです。展示物をシートで守っているので、梁や木枠は守れていないのが現状です。

 

僕が移住して20年になりますが、この20年でもかなりの箇所のシュロ葺き屋根が板に代わったり衰退して来ています。

最後に村長も答弁していますが、江戸時代から続く、歴史的・文化的価値のあるシュロ葉葺きを技術的にも伝承し、

現在のロース記念館も早急に守っていく事を願って質問しました。

 

雨漏りに関しては早急に対応してくれるとのことです!

 

 

★ジャイアンより質問

母島ロース記念館のシュロ葺屋根の雨漏りが酷くなってきている。雨漏り時には、屋内側でシートをかけるなどの対応をしているが、このままだと、梁や屋根組みなど腐食が進んでしまう可能性がある。ロース記念館の屋根の葺き替えについて、現在の状況をお聞きしたい。

 

→桐川教育長より答弁

ロース記念館の屋根は平成22年度に葺き替えをし、13年が経過。以前から雨漏りが発生、展示等への影響が出ているとの報告あり。課としても早急に屋根の葺き替え等の対策が必要であると認識。方法として、現状と同様にオガサワラビロウで葺くことを第一に考えているが、生態系保全の観点から、父島からビロウの葉の持ち込みができない。このため、葺き替えに必要となる葉の全てを母島で採取する必要があります。しかし、多くの木が国有林の森林生態系保護地域内にあり、木に負担がかからないように配慮することが必要。現在、1本の木から何枚の葉を採取することが可能であるかの試験を国有林課が行っている。この試験の結果で葺き替え用の葉を確保するために必要な木の本数が明らかになる。現在、この試験の結果を待っている。

 

 

★ジャイアンより

試験の結果が出て必要な葉が確保できた場合、最短で葺き替えに着手できるのはいつ頃になるか。

 

→教育長より答弁

試験の結果について、6月中に取りまとめ、その後、森林生態系保地域部会等で専門家の評価を受ける予定。専門家の評価に基づき、どの地域の木から葉を採取するか、木から葺き替えに必要な量の葉を確保できるかといった検討を行う。

 なお、ロース記念館の葺き替えについては、費用が高額になることが想定されるので東京都指定文化財関係の補助金を利用することを考えている。この補助金の申請は前年度の6月頃には工事金額等を算定しておく必要がある。葉の確保や採取に係る費用を含めた工事費用等の問題が解決できたという前提で最短で令和7年度着工になる。

 

 

★ジャイアンより

最短で令和7年度着工、そこまで現状のまま放置することはできない。雨漏りの対策を行うことは考えているのか。例えば雨漏り箇所を部分的に葺き替える、防水シートをかけるなどの対応はどうか。

 

→教育長より答弁

部分的な葺き替えは、技術的な問題に加え、葉の調達という問題もありますので、応急処置的な対応には適さないと思う。屋根の外側にシートをかける案は耐風性の問題や覆われている部分の蒸れにより腐食が進む可能性があるので、こちらも課題が残る。室内側での対策を行う場合は展示物だけではなく、梁や屋根組みをどのように守るかも含め、検討の余地があるので、他の地域の事例を含め調査していく。

 

 

★ジャイアンより

ロース記念館の屋根の葺き替えについては、選挙中にも島民からビロウ葺で行ってもらいたいという声が寄せられた。雨漏りについても時間が経てば経つほど悪化することが確実。早期の葺き替えの実現と、早急な雨漏り対策をお願いする。実際に母島で葺き替えを行った職人が現役でいる。話を聞いてみると、現実的な話が沢山聞けた。役場の聞き取り情報と現場の職人の意見では若干違っている部分がある。世代的にも今後しっかりと技術を引き継ぐ必要がある。

 

→教育長より答弁

ロース記念館の屋根改修について、世界遺産関係の会議の場でもビロウ葺による改修を望む声がある。国有林課の試験結果次第という部分もあるが、色んな意見を取り入れながらビロウ葺による改修を第一候補として検討を進めていく。また、雨漏り対策についてでき得る対応を考えていく。

 

 

★ジャイアンより

今度葺き替えをするときは、自分もできる限り一緒に作業をしながら技術を取得できればと思っている。村長にも小笠原のシュロ葺き屋根の文化的価値について、世界的にも希少であるがどう考えているか。

 

→村長より答弁

シュロ葺きについて、以前清水議員も取り上げていたが、シュロは南方系のものであるという認識。小笠原に伝わって来た経緯を考え、昔の資料で最初の移住の様子を見ると屋根も壁もシュロで葺かれていて、ビジターセンターで再現されている。歴史的な価値は重々承知している。技術の伝承、シュロの確保などの課題を考え、シュロ葉を第一に考えたいが、ロース記念館の施設と展示を守るのも早急にしなければいけない。雨漏りの実態を良く調べて、直近の課題として雨漏り対策を何かできないか伝えている。シュロ葺きの継続を検討したい。歴史的文化的価値があることは重々承知している。

 

 

★ジャイアンより

 

20年前来た頃はまだ北港や各休憩所もシュロ葺きだった。民家のシュロ屋根もあった。気付けば今はロース記念館と御幸ノ浜展望台だけになっている。どんどん減って来ているのでなんとか残せればと思う。