共同墓地、合祀堂について(一般質問)

●令和6年第1回 議会定例会

 一般質問2024.3.13

 ③共同墓地、合祀堂について(一般質問)

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(宮城)

現在、父島には小笠原村大根山霊園、大根山墓地、扇浦の久遠寺(くおんじ)墓地があります。母島には静沢墓地(通称:沖村墓地、清見寺墓地)、衣館墓地(通称:北村墓地)があります。

 

去年、墓誌等を含め、墓石等に名を彫る仕事を、本土を拠点としている職人さんと一緒に島内の墓地に関わる機会がありました。すべての霊園、墓地を回ってみて、村営霊園を除き、管理が難しい状況にあると感じました。

その中でも、通称、沖村墓地は道が険しく、さらに草木が生え、高齢者にとって墓参りも困難な状況と母島に住んでいて感じています。

 

また、近年、本土でも墓じまいなどが行われ、墓の維持管理が難しいといった社会現象と比べると、共同でひとつの墓地(共同墓地)、合祀堂、合祀墓のニーズが、墓自体の管理、墓を引き継ぐ後継者問題から望まれている状況と思います。

墓地は、行政か宗教法人が設置する法律がある以上、今後、墓地所有者、区画を維持管理する者の高齢化、お墓参りしやすい埋葬場所という点で、永代供養も含めた、共同墓地等を整備していくことを提案したいと思います。

現時点において、父島には村営墓地があり、母島にはない状況です。

税の公平性(住民サービスの公平性)という観点からも村はどう考えるでしょうか。

 

(村民課長)

 令和5年9月、第3回定例会の決算特別委員会において、宮城議員からの質問に答弁させていただいたとおり、父島、母島両島において、新たな村営霊園、墓地等を整備する計画はありませんと答弁いたしました。

 整備計画についてはその答弁と変わりありません。

 また、同委員会で、村長が答弁したとおり、「お墓のあり方」について、より具体的に検討する指示を所管課として受けております。

現状としては、共同、合同墓地的な、樹木葬などの検討も含め、「お墓のあり方」については、所管課として、具体的な検討には、まだお時間をいただきたいと考えます。

 

(宮城)

 確認したいのですが、現時点では、整備計画はないとのことですが、時代のニーズに合わせて父島の大根山霊園の空き区画に共同、合祀堂等をつくるという考えはないのでしょうか。

 

(村民課長)

 墓地のあり方については、時代の流れ、墓じまい等の考え方など、公共の墓地においても永代供養を求められることは理解しております。

同時に、宗派を問わず使用することを目的とした大根山霊園の役割についても検討を必要とします。

ご質問の空き区画の考え方はそのような考えを整理し、「お墓のあり方」として検討していくことと考えております。

 

(宮城)

 「お墓のあり方を考える」際になりますが、大根山霊園に永代供養等に対応してもらえる共同墓地等を整備する場合、まずは村営墓地のない母島からの整備を検討する提案を受け止めてほしいと思っています。

母島の人にとっては父島の墓地では墓参りには距離も気持ちも遠すぎる状況です。

具体的には、母島のフルーツロードの空きエリア、沖村墓地エリアに共同墓地、合祀堂等を作る検討、調査を行ってもらいたいと思っています。いかがでしょうか?

 

(村民課長)

 ご意見としてお聞きしますが、新たな場所に共同墓地等の整備計画は現時点ではありません。

大根山霊園の空き区画を利用し、新たな霊園形態の検討を進めるに当たっては、新しい霊園スタイルは国内での歴史は浅い一方で、急速な広がりをみせており、各地における情報を把握、整理する必要があると思っています。

さらに墓地の形態は多様化しており、将来的な情勢も予測しつつ、未来永劫続くものという観点からも現時点でベストな選択をする必要があると思います。

母島にお住まいの方のことや、その他、供養の方法等、諸課題への対応など、専門的な見地からのアドバイスを踏まえ検討をすすめていくことと思います。

 現状、フルーツロードの空きエリアは村有地ですが、整備する検討は現時点ではありません。 また、沖村墓地については、村の管理地ではありません。

 

(宮城)

村による沖村墓地の管理という意味ではなく、沖村墓地に村が一定のエリアを買う・借りるなどして合祀堂などを整備するのはどうかという意味です。そこに法律的、制度的な制約はありますか?

 

(村民課長)

 法人等が管理運営している墓地内に、公共墓地等をさらに整備することはたいへん違和感を感じております。

 なお、ご質問の用地の購入、貸与について、法律的、制度的な制約となることは特にございません。

 

(宮城)

 現時点の沖村墓地の入って、東側のエリアについては、階段も朽ちて来ていて、手すりもなく、墓参りの方々の高齢化を考えるとかなり険しい状況と感じます。

 ここで母島の折田支所長に伺いたいと思います。

過去に母島沖村墓地のロース、モットレイの墓を観光箇所として、道の整備した経緯がありますが、沖村墓地の通路を整備するいい方法はないでしょうか。

 

(支所長)

宮城議員のご質問に答弁いたします。

沖村墓地内にあるロース及びモットレイ夫妻の墓は、昭和57年3月に東京都の文化財に指定されており、定かではありませんが、その当時、文化財の説明版などが整備されたものと思われます。

その後、母島の観光箇所として、母島観光協会により通路の整備、案内板の設置が行われたと聞いています。

現在は、東京都文化財保存事業費補助金制度がありますが、文化財所有者向けの補助となっており、通路の整備が対象になるかどうかについては、都教育庁との調整が必要です。

また、都道北進線脇の沖村墓地入口から三叉路までの階段や崖沿いの鎖の策等は、地元の有志によって整備された経緯は聞いております。

 

(宮城)

 今、説明いただいたのは、墓地の南側の都住駐車場からの通路ですが、それとは別の村道静沢線沿いのNTTドコモ鉄塔近くから、墓地に下っていく通路がありますが、そこの舗装など整備はできないでしょうか。

 

(支所長)

 議員のおっしゃる未舗装の通路については、昭和50年代には使われはじめており、どのような経緯で出来たかは不明です。測量をしなければ詳細は判明しませんが、複数の国有地、民有地、赤道上を通っていると考えられ、村による道路の整備は、公共性等の面から難しい状況です。

 

 

(宮城)

 お墓のあり方として、検討する一つに、お墓を維持するためには、多くの方の力と費用が必要になります。

 沖村墓地のように、村が管理を行うことは困難なことと、理解している中で、母島においても、先祖を大事に思う気持ちと、物理的に墓参りなど現地までいけない悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。

 旧大根山墓地の管理をしてる団体に、村はその活動に協力する姿勢から、草刈り用のガソリン支給をしていることは予算等から把握しています。

 

 母島には異なる事情がありますが、必要に応じて、支所にも相談に乗ってもらい、維持管理等が整えられることも期待したいと思います。

重ねて、現時点では計画がない状況は分かりましたが、今後、時代の流れに合わせたお墓の在り方を検討して頂き、島を作って来た先輩方の眠る大切な場所をより大事にしていければと思います。

 

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