おが丸ドック中の物資問題について

●2024年6月 定例会 一般質問②

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【ジャイアン】

去年、令和5年5月のおがさわら丸ドック期間中の生活物資や農水産物の出荷物の輸送には混乱と問題が発生していました。

今年のドック期間を迎えるにあたり、関係機関や運航会社が1年をかけて様々な準備と対応を行った結果、大きな問題にならなかったと認識しております。

 

その評価を行い、今後の課題について共通認識を持ち、考え、村民に示していく事が大切だと考えております。

まずは、生鮮食料品などの生活物資や郵便物などの輸送はどのような状況であったか伺うとともに、代船さるびあ丸の現時点での課題について村としてどう考えているのかを伺います。

 

【浅賀企画政策室長】

昨年のおがさわら丸のドック期間は、代船さるびあ丸の積載可能量を超える村内商店の貨物の搬入があり混乱を生じました。

今回は、代船への特に冷蔵品の積載量の制限について、運航会社が各商店に対して改めて周知を行うとともに、実際に積載可能な商店ごとの貨物の量を指定しました。

 

また、昨年の6月議会において議員よりご提案をいただいた、村内の各商店が、ドック前に予め冷凍品を多く仕入れ、代船では冷凍コンテナの扱いをせず、全電源を冷蔵コンテナで使用して生鮮食品の輸送量を増やす対応につきましては、運航会社と関係機関のご協力により実施を致しました。

また商店の冷凍保管庫の広さがない場合があり、港に臨時的に設置する冷凍コンテナに保管をいただく対応を母島にて実施を致しました。

 

今回の具体的な調整に際して、議員自らが村内の各商店を訪問し、ドック期間中の冷蔵品仕入れ見込量をヒアリング、その結果を運航会社にも事前共有するなどのご尽力をいただきました。

以上のことから今回のドック中の特に生鮮食品の輸送については昨年のような混乱は起こらず、来年についても本年と同様の対応を行いたいと考えております。

なお、来年以降は今年の輸送実績を踏まえて、運航会社により、村内各商店と輸送量の事前調整を行うよう、要請をしてまいります。

 

続いて、郵便物の輸送につきましては、共勝丸が代船運航期間中にタイミングよく運航できるよう調整、協力をいただきました。

なお、今回の代船さるびあ丸の東京発便においては、ゆうパックとヤマト宅急便にも相当な量があり、コンテナへの積み方を工夫して全量の積載が出来ましたが、積み残しのリスクがあったことが伝えられていること、その他の宅配便については一部積み残しが発生したと聞いており、課題として認識をしているところです。

 

来年はドック期間が整備工数の多い年に該当することから、本年が17日間であったドック期間が21日間と、4日ほど長くなり、村民の皆様にご不便をおかけすることになります。

村民の皆様には代船運航時の貨物積載量におがさわら丸よりも制限があることについて再周知が必要であると考えております。

 

【ジャイアン】

了解しました。

去年の混乱の経緯を踏まえて、この5月の対応は現時点でできる限りの対応ができたと感じていますし、現場からもそうした声を頂いています。

続いて、今年のドック中の共勝丸と八幡丸でのパッションフルーツや水産物の本土向けの発送の状況はどのような実績だったでしょうか。

 

【企画政策室長】

まず農産物の特にパッションフルーツの出荷につきましては、ドック前のおがさわら丸と代船さるびあ丸の間となる5月16日父島発に積載した共勝丸の郵便により、コンテナ2基分、父島から約240ケース、母島から約280ケースの発送実績がありました。

 

水産物については、この期間に八幡丸の運航が5月14日、18日、24日の計3回の発送機会があり、この3便を合わせて父島が約20トン、母島が約4トンの漁獲物の発送実績がありました。

なお、5月18日の便は本村のチャーターによる運航であり、本土への出荷機会の確保を図りました。

 

【ジャイアン】

今回のドック中の共勝丸と八幡丸の出荷実績や経験を経ても、依然として母島では農協と漁協、共に第一次産業としては1月のドック時期に戻してほしいとの声が強いのが現状です。

代船「さるびあ丸」が「おがさわら丸」の代わりになるから5月のドック期間を認めたという経緯があります。

現行のドック中の対応では出荷物に関しては代わりには至っていないという認識です。

現時点で上り便のパッションフルーツと鮮魚の本土出荷に課題がある状況です。

その声に対する村の考えはいかがでしょうか。

 

【企画政策室長】

来年以降も共勝丸には、ドック期間に併せての運航調整をお願いするとともに、八幡丸を傭船することにより、水産物の出荷機会確保も継続します。

 なお、この代船さるびあ丸の就航時期につきましては、伊豆諸島に就航している高速船が波浪に弱く、秋から冬にかけては就航率が落ちるため、大型船のさるびあ丸を運航から外すことが出来ません。また、さるびあ丸も自身のドックが4月にあること、毎年行われている学校団体による貸切運航が5月末から6月の初めにあること、夏期は繁忙期であり大型船も本来の運航から外すことが出来ないことなど、様々な条件から、この5月の連休明けが代船として小笠原航路へ就航可能な時期との提案を受けています。

このことについてはさるびあ丸の代船活用可能性について話がありました、平成26年から小笠原航路検討会や村議会にも諮りながら、代船の運航が可能な5月におがさわら丸のドック時期を変更することを容認した経緯がございます。

このことにより、おがさわら丸のドック時期は、代船さるびあ丸を伊豆諸島航路からお借りする関係で、5月のこの時期を外すことが出来ず、来年以降も5月の同時期にドックが予定されております。

 

【ジャイアン】

今回、共勝丸が農協の望む希望日程通りに運航してもらった事は、船員休暇や日程の調整など限られたマンパワーの中で島を支えてくれている中での対応だったので、本当に有難い事だと思っています。

土曜日に月島に着いたので、郵貨の方はその日のうちに運んでくれたと伺っております。

引き続き、来年も同様にお願いしたいところです。

しかし、この日程でもパッションフルーツは品質保持に課題もあり、パッションフルーツの最盛期の5月の運航としては大きな課題と考えています。

漁業にとっても魚はできる限り鮮度を保つためには短い日程で運べることが理想とのことです。現時点での対応としてはできる限りやってもらえたと声を頂いていますが、まだ課題があることはしっかりと示しておきたいです。

引き続き、その他の輸送手段についても調査、検討を進めて頂きたいと思います。

 

【企画政策室長】

引き続いて、ドック期間中の輸送改善が出来るよう調整を行い、その他の輸送手段についても東京都や運航会社他、関係機関とも連携し、調査をしてまいります。

 

【ジャイアン】

了解しました。

共に知恵と力を振り絞りながら、なんとか現場の声に応えれるように対応していければと思います。

今後ともよろしくお願いします。

 

 

●2023年5月 定例会 一般質問①

 

2023年5月に発生した代船さるびあ丸の生鮮食品積み残しの問題、

農作物の出荷の問題、海産物の出荷の問題について質問しました。

 

事前に内地で小笠原海運、共勝丸、東海汽船とも対話し、

父島、母島の各商店、農協、漁協にヒアリングを行い、

今後の打開策を調整し、執行部とも入念に打ち合わせや調整を行いました。

 

今回の一般質問では、現状の共通理解を図ることで、

色んな誤解が生じている部分を解消し、

事前調整で打開策を練って、それも共有することを狙いとしました。

 

議員になってドキドキの初めての一般質問でした(#^.^#)

概ね、狙いは達成できたかと思います。

ガッツリ質問して、次に進む決定の答弁だけではない、

議員としての一般質問でもこういう在り方が必要なんだと、

大きな学びとなりました。

 

関係者の皆さん、本当にありがとうございました!

来年に向けて、少しでも問題が解消できればと思います☆

 

 

【おがさわら丸ドック中の物資問題について】

★ジャイアンより質問

・今年5月のおが丸ドック中代船さるびあ丸で生鮮食品が十分に載らない事態が発生、村民生活に支障をきたし、混乱を招いた

・母島の主要作物であるパッションフルーツ最盛期だが、内地出荷がスムーズにできなくなっている

・水産物もベタ凪の時期にコンテナ積みが出来ない(八幡丸の出荷)ことで漁師の負担が大きくなってる

この点で村長はどう考えるか?

 

→村長より答弁

●代船さるびあ丸の就航の経緯を説明

・H15年までドック代船があったが、その後なくなった。以来、1月に20日間ほど本土とのアクセスがない期間が発生することになった

・R3年にさるびあ丸を更新することになり、小笠原にも行けるように近海資格を取得、追加設備費用として都が3億、小笠原村が1億補助した経緯あり

・代船が小笠原就航時、伊豆諸島は高速船の増便でフォローすることから、海況が良くて繁忙期以外の4~6月に設定するしかない

・4月はさるびあ丸のドック、5月末は長年行っている学生団体の貸し切り運航、6月は橘丸のドックがあり、小笠原に就航できるのは5月のGW明けの平日5日間に限られる(毎週末は伊豆諸島の多客時期)

・結果、今後も5月にドック期間、そして代船さるびあ丸となることになる

 

●生鮮食品の積み残し問題について

・今年初めての問題。代船さるびあ丸になった去年、一昨年には発生しなかった問題

・海運は事前に島の商店に積載量に制限があることを事前通知していたが、積載可能量を超える搬入があり、積み残しが発生した

・要因として、おが丸ドックが横浜から広島に代わり、回航日数が加わり、ドック期間が延びた

・ドック期間前半に代船運航となり、ドック後半に備えるために、各商店の発注量が増えて、積み残しが発生したと考えられる

・内地出張中だったので、村議とともに事実関係確認、海運本社にも行き、意見交換、来年以降の改善を要望した

・ドック中の代船運航は一定の効果はあるが、すべての課題を解決しきれるものではない。農水産物の出荷もカバーできていない。共勝丸、八幡丸の効率的な運用、活用をお願いしつつ、調整を図りたい

 

 

★ジャイアンより

・来年はさるびあ丸の運航が1回の場合、ドック期間後半に設定することは可能か?

・冷凍食品や日持ちする根菜類をドック入りの最後のおが丸で入荷するといいのでは?

・商店の3週間分の冷凍保管庫として、父島は3店舗とも保管可能とのこと。母島は難しいので、港のコンテナと電源をお借りして保管できないか?

・代船さるびあ丸で冷蔵コンテナのみ(10フィート×6)にすることで、ドック中の物流効率を上げれると考えるが、村としては課題、調整をどう考えるか?

 

→企画政策室長より

・さるびあ丸運航時期については5/24に海運本社に訪問し検討をお願いしている。

・東海汽船の事情もあるので海運からの回答を待つ

・提案された冷凍を前入荷、さるびあ丸冷蔵のみ入荷は課題緩和の可能性があると考える

・岸壁での冷凍保管は東京都との調整が必要、コンテナ運転中の管理体制、責任の所在の調整が必要なので関係者と意見交換をする

 

 

★ジャイアンより

・さるびあ丸の貨物ハッチの上か脇に20フィートコンテナを積載できるか?また電源を増設できるか?

 

→企画政策室長より

・船首へのコンテナ積載は物理的に不可能

・コンテナ電源の増設も発電機の能力、船内は以前設備の関係で不可能

 

 

★ジャイアンより

・今回の様に生鮮食品が載せれない事態に備えるために、八幡丸に生鮮食品を載せれるようにできないか?

・生鮮食品を載せるのにどのような課題があるか?

 

→企画政策室長より

・生鮮食品の積載を許容できるか、仕入れ先指定の積み込み場所、荷姿、送料の扱いなど課題は多い。

・課題を丁寧に整理し、八幡丸の活用が有効か判断していきたい

 

 

★ジャイアンより

・パッションフルーツは品質管理上、収穫から10日程度で届けるのが理想であり、ドック中の共勝丸の運航日程調整に農協を加えるようにお願いしたい。

 

→企画政策室長より

・ドック期間中、共勝丸は郵便輸送で出荷していると聞いている。

・共勝丸の運航はさるびあ丸とバランスよくスケジュールを設定できるように調整するが理想的

・今後は調整に農協の意見も伺っていく

 

 

★ジャイアンより

・農協より、さるびあ丸、おが丸共に1泊便ではなく、折り返しの着発運航にできないか?と強い意見が出されている。これは本土向け出荷作業が東京向け前日に行っているが、1泊便の場合、入港配達作業と出荷作業が重複してしまい、大変な負担となっている。村はどう考えるか?

 

→企画政策室長より

母島農協からのご意見について、現在の運航ではさるびあ丸の父島到着が15時であるため、運航会社の物理的な準備、荷役の都合、接続「ははじま丸」の運航等、考慮や整理が必要な事項が多くあると考える。このことに限らず、置かれている立場で様々な意見があり、船の運航について、これまでも村が事務局となって航路検討委員会で議論し、議会からも伺い、海運と協議してきた。引き続き、よく検討しながら、全体としての改善策を見出せるように調整していく。

 

 

★ジャイアンより

現行の1泊便では酷いときでは朝日が昇る時間まで出荷作業に追われる時がある。なんとかその負担を軽減するためにもおがさわら丸だけでも1泊便ではなく、着発運航をお願いしたい。