母島 ロース記念館の雨漏りについて

●2024年9月11日 令和6年第3回定例会 一般質問③

 母島のロース記念館は小笠原唯一の郷土資料館です。

しかし、数年前から雨漏りに悩まされてきました。

 

2023年6月議会で質問し、応急処置をする答弁でしたが、

1年半経った今も雨漏りは改善されていません。

現場では困っています。

 

直近の雨漏り対策、数年後に控えている葺き替えについて、質問しました。

 

雨漏りに関しては早急に対応する姿勢を目指し、

葺き替えに関してはより具体的な進捗状況の答弁を頂きました。

最後に「小笠原諸島シュロッ葉葺き文化研究会」の設立の紹介も行いました。

 

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議事録

【宮城】

母島ロース記念館の雨漏りについて、2023年6月の村議会定例会でロース記念館の屋根の葺き替え、雨漏り対策について質問をしました。

その後、1年以上経過しましたが、現時点でまた雨漏りが対策がされておらず、現場としてとても困っている状況が続いています。

前回からの葺き替えの予定、進捗状況、雨漏り対策の対応について伺います。

 

(持田教育課長)

ロース記念館の屋根の葺き替え等について令和5年第2回定例会後の進捗を報告させていただきます。

昨年の答弁において、屋根の葺き替えに必要となるオガサワラビロウの葉の採取に関する試験が総合事務所国有林課により行われているとお答えしておりました。

本年2月に開催された、令和5年度第2回小笠原諸島森林生態系保護地域部会において、試験の結果とこの結果に基づく1本のビロウの木から採取可能な葉の枚数に関する方針が示されました。

 

試験では、1本の木から葉の3割を採取したもの、5割を採取したもの、8割を採取したものの3つのパターンに分けて、採取から半年後と1年後の回復具合を検証しています。

この結果、半年後では、3割採取と5割採取では、順調に回復の傾向が見られ、採取前よりも葉の枚数が増加する木も確認できました。

しかし、8割採取のケースでは、回復に時間がかかり、1年後においても採取前の枚数に回復した木が確認できないという結果になっています。

これらのことから、1本の木から採取できる葉の枚数は、2分の1以内とする方針が示されました。

今後、森林生態系保護地域に係る関係会議において実際に葉を採取することが可能な場所や採取する際の環境配慮事項等の検討がされると聞いております。

 

教育課では、これらの結果を受けた後に、葺き替えに必要となる対応等の検証や費用の積算等を進める予定でございます。

このため、昨年の第2回定例会においてビロウによる屋根の葺き替えを行う場合における最短の工事開始は、令和7年度着工とお答えしておりましたが、現時点での最短のスケジュールとしては、令和8年度着工となっております。

 

続きまして、雨漏り防止の応急対策の進捗についてお答えいたします。

雨漏り防止の応急対策については、当初、令和6年度当初予算に計上する予定でございました。

しかし、建設事業者からの見積もりが非常に高額であったため、業者提案の方策は採用せずに当初予算の計上を断念しております。

その後、有効な雨漏り対策が見いだせず、現在に至っております。

昨年の第2回定例会後の進捗につきましては以上でございます。

 

【宮城】

ビロウの葉の採取に関する進捗については理解しました。

過去の葺き替えと違い、環境配慮などより難しい側面は出てきていると思いますが、小笠原唯一の郷土資料館としてシュロ葺きが現存している、使われている事にとても大事な意味を感じています。

令和4年6月の一般質問でも村長から「シュロ葺きの継続を検討したい。歴史的文化的価値があることは重々承知している。」と答弁を頂いています。

時間とお金はかかりますが、ぜひしっかりとした葺き替えをお願いしたいと思います。

 

雨漏りに関しては最短の葺き替えが令和8年度着工ということですので、期間が延びている事実があります。

尚更、それまでの期間、早急な雨漏り対策が必要であると考えます。

 

先日も雨の日にロース記念館に伺いましたが、バケツや雑巾、シートで雨漏りを凌いでいます。

雨の日にタコの葉細工をする小上がりの場所、メグロやアカガシラカラスバトのはく製の場所にも雨漏りしていました。

 

ロース記念館は当村唯一の郷土資料館です。

小笠原にとって大切な展示物の宝庫です。

このままでいいのでしょうか?

展示物、梁や照明を守るうえでも、葺き替えまでの応急対応は必須だと思います。

 

先日、母島に来ている職人さんに雨漏り対策を相談してみました。

さすが現場の職人さんで具体的なアイディアを幾つも持っていました。

そういう方達に力を貸してもらいながら、少なくとも葺き替えまでの機関、雨漏りで作業場や休憩場、展示物を濡らすことのないように対応していければと思います。

 

そちらの雨漏り対策に関する直近の対応を伺います。

 

【持田教育課長】

 雨漏り対策を早急に行う重要性については、理解しているところです。

ただいま、具体的な相談を議員側の方でしていただいて、アイディアの可能性というものも少し感じたところでございます。

今後につきましては現地にある母島支所とも連携しながら早急な対策できるように検討してまいります。

 

 

【宮城】

雨漏りが続いていますので、ぜひ早急にお願いします。

20年前は島内の各休憩所はシュロ葉葺きでした。

それが現在では父島では青灯台、母島ではロース記念館、御幸の浜展望台のみとなっています。

一部、プラスティックで疑似シュロ葉葺きという場所も設けられています。

この歴史的文化的価値のあるシュロ葉葺きの技術と文化の継承を目的として「小笠原諸島シュロッ葉葺文化研究会」が発足しました。

僕自身も関わっていますが、この貴重な文化を守っていければと思います。