春からの低学年下校時間、学童について(一般質問)

●令和6年第1回 議会定例会

 一般質問2024.3.13

 

①春からの低学年下校時間、学童について

 

 

(宮城)  

小学校において、来年度、今度の4月から、新学期から授業時短が実施されると聞いています。

放課後の児童の取り扱いについて、村はどう考えているかを伺います。

 

授業時短とは、令和6年度一学期から1年間を通して、学校の授業時間が減り、その中で小学1年生が週2回お昼帰り、小学2年生が週1回お昼帰り、となるそうです。お昼帰りとは、弁当を持参せず、4時間目の授業終了後下校となる事を示しています。

 

父島には学童があり、父島社協に確認すると、必要な対応をする予定との回答でありましたが、村として認識している問題はないのでしょうか?

母島は今まで学童がなく、人々の好意、地域の困りごととしての社協の現場対応などでなんとか乗り切ってきましたが、現時点でも少人数ではありますが困っている人が毎年発生している以上、今後は仕組み作りが必要と考えます。

その中で厚生労働省が提唱しているファミリーサポート制度が、母島の規模には有効と考えています。ぜひ導入を検討して頂きたいです。

 

 

(答弁 嶋村民課長)

 父島での対応について、放課後学童保育事業(以下、学童)は、小笠原村社会福祉協議会において実施しております。

 父島社協では、授業時短に伴い、定期的な昼帰りが増え、弁当を持参し、学童に参加する日が増えることについて、特に支障がないことを、利用予定の保護者から問い合わせ等があった場合は回答すると聞いております。

 また、改めて確認したところ、特段大きな運営上の問題点は想定されていないとのことでございました。

 母島での学童がないことについて、ファミリーサポート制度の活用をご提案いただきました。

 ファミリーサポート事業は、正式名称を、子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)といい、育児の手助けをしたい人(提供会員)と手助けを受けたい人(依頼会員)からなる会員組織で、会員同士で地域において育児に関する相互援助活動を行う事業となります。

 援助内容としては、保育施設の保育開始前や終了時に子どもを預かる。

保育施設までの送迎を行う。学童クラブ終了後に子どもを預かる。

学校の放課後に子どもを預かる。冠婚葬祭や他の子どもの学校行事の際、子どもを預かる。

買い物等外出の際、子どもを預かる。となっております。

 子どもを預かる場所は、提供会員の自宅や児童館等、会員間の合意により決定します。

 令和5年2月末現在で、53区市町村で実施しており、センター事業運営に関しては、実施主体は市町村とし、市町村が適切と認めた者へ委託等を行うことができるとされています。

 村が直営で、本事業の本部を設置し、運営する計画は、現段階では父島、母島ともに計画はしておりません。

重ねて、「とびうおクラブ」等の学童事業実績のある父島社協並びに、本事業の取り組みを母島にて実施する可能性の高い母島社協からも、相談等は現段階では受けておりません。

 提案いただいた事業は、母島において、議員が情報収集等の結果、事業のやりやすさ等の印象でご提案いただいている内容ですが、いずれにしても、事業実績等のある社会福祉協議会からの相談等を受け、進めていくものと考えております。

 

(宮城)

 母島では学童がないため、母島社協にて、地域の困りごととして、村民会館内を拠点に、見守りを中心に対応していただいてると聞いています。

直近の令和5年度春には見守りボランティアをお願いし、見つからない場合は社協職員が見守っていたそうですが、それは春先のみ、主に1か月と少しで済んでいました。

 

しかし、この春から授業の時短が年間通してとなり、それの対応を社協の職員が抱えるには正直厳しいと現場から聞いております。

その中で、今年度も少人数ですが、困っている人が発生する見込みですので、そこをフォローする仕組み作りが必要と考えます。

これは今年度に限らず、今後も発生する地域の困りごとです。

 

父島のような学童事業と同様な規模と体制は人数規模、ニーズ等から困難であると感じています。

社協の見守りであっても、公に利用者を募集して、決定を持って利用するなど、誰しも平等に利用しやすい制度として仕組み作りが必要ではないかと思います。

税の公平性(住民サービスの公平性)という意味で、父島には学童があり、母島には学童がない問題を村はどう考えるか答弁を求めます。

 

(嶋村民課長)

 父島学童保育「とびうおクラブ」を運営している父島社協へ村では補助を実施し、事業継続のため、必要な予算を本定例会にも上程しております。

母島においては、いままで、母島社協において事業実施の検討が具体的にされていたかも含め、実施の目途は立っておりません。

小笠原村社会福祉協議会において、ノウハウ等については既に十分な実績を有していると判断しますが、父島、母島同じ形態では、専門職の確保や、住宅の問題など、様々な理由が母島事業実施にいたらない要因と考えております。

 令和5年3月、第1回定例会、予算特別委員会においても、母島の学童保育について、安藤議員からも質問を受け、その際に答弁させていただいたとおり、令和6年度は第3期小笠原村子ども・子育て支援行動計画の改定年度となりますので、利用ニーズを把握し、母島社協での様々な支援実績も考慮しながら、どのような事業を支援していくことが現実的で重要かと、引き続き検討してまいりたいと考えます。

 お子様をお預かりする事業を実施するということは、簡単には実施できません。

責任をもった対応、継続できる事業運営は絶対条件となることは、どのような形であれ最優先に考えております。

 議員ご質問の、母島社協の見守り等については、試験的事業として令和5年度から開始し、地域の困りごととして社会福祉協議会が対応していると聞いております。

個別ケースの相談を受け、対応していることと思いますので、利用に関してルール化すべきといったことを村として助言等することではないと考えております。

なお、先日開催された、小笠原村社会福祉協議会令和5年度第4回理事会において、令和6年度事業計画書内に、子ども家庭福祉事業として、「児童の見守り活動(母島)」が正式事業として計画されていることが報告されています。

本事業で、通年をとおし、見守りができる等の体制が確立されているものではないと思いますし、今後、専門職の配置等が求められることもあると思いますが、本事業の支援として、村としては社協からの相談等に協力してまいりたいと考えております。

 

(宮城)

 母島のニーズと規模を考えると、父島のように定員を設け、数人雇用し配置する運営は難しいと考えます。

厚生労働省が提唱しているファミリー・サポート・センター事業を導入し、村が講習や費用をフォローする形で、社協などに委託をするといった内容も検討のひとつとして残していただきたいと考えます。

 令和6年度に第3期計画改定を行う説明がありましたが、今回一般質問でこの質問を取り上げたのも、必要性、事業提案等、声をあげ続けることが重要と考えています。

 

実績等からも、事業主体となるべき社会福祉協議会などだけでは、前に進めることも困難が伴います、村が補助金を出す、役割を整理して事業を進めていくこと、住民も一緒に考え動くことが重要と思います。

 事業を実施する、事業者としての責任など当然重要ですが、村もしっかりフォローする姿勢をみせ、母島においても、学童をはじめ、子育て支援がより充実することのぞみます。

 

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