自死に対する村の対策について

2024.6.23 一般質問③

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【宮城ジャイアン】

近年、我が国の死亡原因の上位に自死があり、特に若年層はその傾向が顕著です。小笠原村においても発生しています。

 

令和6年3月に村では「小笠原村いのち支える自殺対策行動計画」を改定しましたが、啓発、相談ベースである部分が大きいと感じています。

 

こころの病に侵された時、すぐに受診、相談できるくらいなら、自死には至らない。

そこをできる限り、なんとか支えたいと考えています。

本人がどんなことで悩んでいるのかはあまりに多種多様であることも事実だと思いますので、難しい課題だと思います。

 

そんな中で、行政サービスはもちろんですが、もっと地域や職場、周りで支える仕組み、短期で滞在している、赴任している人などへのケアも重要と考えます。

対策行動計画を改定したタイミングとなりますので、村としては相談窓口の紹介以外には具体的にどのような対策をしているかを伺います。

 

【嶋村民課長】

改定した行動計画は、東京都自殺総合対策計画と連携し、区市町村の役割として、地域における自殺の実態の把握・分析を行い、その特性を踏まえた重点施策を設定し、効果的な自殺対策に取り組みます。

また、区市町村は地域住民等に対する普及啓発や自殺のリスクを早期に発見し、自殺を予防するための人材育成を行うとともに、地域の関係機関や相談窓口との緊密な連携体制をつくり、自殺対策を推進することとされています。

相談窓口の紹介以外で、具体的な対策といたしましては、行動計画の重点施策に記載しております、若年層対策、職場における自殺対策の推進として、経営者等に対する理解促進、勤務問題による自殺リスクの低減に向け、ゲートキーパー養成研修の開催や、精神科医療の充実として、精神科専門診療の継続的実施等に取り組んでおります。

 

【宮城ジャイアン】

 自死へと傾いている人の「心のSOS」に気づき、支え、命を守る門番に多くの方が関わる、ゲートキーパーの研修は大変有意義な対策と考えます。

村だけに頼らず、島民それぞれがいのちを守る、支える機会を作ることになると思います。 

開催状況や、今後の予定等を聞かせてもらえるでしょうか。

 

(村民課長)

平成24年度、令和元年度、概ね5年程度の間隔で、ゲートキーパー養成研修を開催しております。

島しょ精神保健福祉巡回相談・援助事業(巡回相談)として、島しょ地域を管轄する東京都精神保健福祉センターが年1回来島します。

養成研修は、同センター精神科医の方に講師をお願いし、村主催、保健所の協力を得て実施しております。

次年度の同センターが来島する6月で開催を調整しております。

 

【宮城ジャイアン】

 相談支援体制として、村内にも多くの機関が多岐にわたる悩みに、窓口を設け、切れ目のない支援に対応していただいていると感じてますが、村保健師、看護師など、村民にとって最も身近な専門職等への研修の機会などはどのように確保してされているでしょうか。

 

(村民課長)

 先ほど、申し上げた巡回相談の時には、保健所と同センターが、個別相談以外に講演会や研修会などを企画し、コーディネートを行っております。

 同企画に村保健師であったり、関係する看護師も参加し、研修の機会として確保しております。

参考までに、毎年テーマが変わり、令和6年度は「メンタルへルスの不調~背景やリスク要因について理解する~」令和5年度は「精神保健に課題を抱える人へのアプローチ」となっております。

 

【宮城ジャイアン】

毎年、きめ細やかなテーマ設定で研修会などを実施しているとのこと。

ぜひ様々な観点で今後も続けてほしいと願います。

 

さらに高齢者、介護、子ども、子育て中の以外にも若年層の自死を防ぐための取り組みについて、主に、20、30、40歳代の若年層の自死を防ぐための取り組みは、各職場の理解やゲートキーパー養成研修会となると思いますが、小笠原の地域の特性として効果的な対策として、どのようなことを工夫していますか。

 

(村民課長)

研修会や講演会、及びゲートキーパー養成研修会においては、内地から短期間の滞在者など、人の入れ替わりが多い事業者にも講演会参加の声掛けをおこなっております。

職場従業員の件で、保健所や村に相談されたことがある事業者等などを中心に声掛けしていると聞いております。

 

【宮城ジャイアン】

今後は人の入れ替わりの多い建設業界、観光業界等への声掛けや、多くの事業者が参加できることであれば、より環境としては期待できると思いますので、ぜひ調整の程お願いしたいと思います。

 

残念なことに、様々な対策を講じていても自死を100%防ぐのは難しい部分と思いますが、村民ひとりひとりが互いに助け合い、ひとりでも命を救えることができたらと心の底から願っております。

人と人が密接に関わって暮らす地域だからこそ、できることを大切にしていきたいです。

最後に、自死遺族へのフォローや、関わった専門職へのメンタルケアなど、どのように取り組まれているか聞かせてください。

 

(村民課長)

 自死遺族について、専門相談窓口の案内などフォローをしております。

また、その相談に応じている専門職等へのメンタルケアなどについては、精神科医来島時等に対応しております。

 

【宮城ジャイアン】

近年、新型コロナウイルス感染症の影響で、社会的活動の制限等が発生していた期間に、自死が増加した社会でありました。

感染症類型的に5類相当に変更となり、社会活動も取り戻しつつある世の中でありますが、多くの方が苦しみ、また、感染症のみならず多くのことが世の中に影響を及ぼし、小笠原であっても例外でないと感じます。

 

自死にいたることが少しでも防げたら、多くの関係する方々が立ち直れたらと願い、私も少しでも互いに支え合える地域の一人として協力してまいりたいと考えます。